【話題の本】『8番出口』川村元気著

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■原作は二択を迫る脱出ゲーム、今月29日に実写映画も公開

無限にループが続く地下通路からの脱出を目指す、同名のインディーゲームを原作とした小説が快進撃を続けている。今月29日には著者が脚本・監督を務める実写映画も、二宮和也さん主演で全国公開予定。この夏話題の一作となりそうだ。

令和5年に発売された原作ゲームは、全世界で180万ダウンロードを記録した大ヒット作。内容はいたってシンプルで、地下鉄の通路を思わせる場所をループし続けるプレーヤーが、道中の「異変」に気付くことで出口に近づく、というものだ。

もともとストーリーのないゲームを基にした異色の小説だが、「異変を見逃さないこと」という脱出のためのルールを巡って主人公は常に二択を迫られ、やがて自分自身の人生の重大な選択へと向かっていく。クリア間近でふりだしに戻されるゲーム的な感覚と、見て見ぬふりを続ける現代人のリアルな葛藤を両立させた物語は読み応え十分だ。

版元の水鈴社によると、映画公開に合わせて4刷計16万部となる増刷が決定。小説では登場人物の内面が書き込まれているのに対し、映画では極力セリフを排してモノローグも一切ないという。小説を先に読むか映画を先に観るか、読者も二択を楽しめる仕掛けだ。(水鈴社・977円)

村嶋和樹

産経新聞
2025年8月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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