「どれほど気を使ったことだろう」『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ最新作『シークレット・オブ・シークレッツ』極秘裏に進められた過酷な翻訳作業に書評家も驚き[文芸書ベストセラー]

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 11月25日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『シークレット・オブ・シークレッツ 上』が獲得した。第2位は『さよならジャバウォック』、第3位は『最後の一色 上』となった。

 1位と4位にランクインした『シークレット・オブ・シークレッツ 上・下』は、『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるダン・ブラウンさんの最新長編。ハーバード大学の宗教象徴学教授ロバート・ラングドンが主人公のラングドン・シリーズとしては、8年ぶりの新作となる。今作の舞台はプラハ。物語は「人間の意識」をめぐる難解な謎へと読者を誘い、ラングドンが世界を股にかけて危機に立ち向かう。

 書評家の大矢博子さんは「労働新聞」に寄せた書評で《圧倒的な疾走感と、次々起きる事件にページをめくる手が止まらない。専門的なモチーフだが翻訳は分かりやすいし、大きな謎の中に小さな謎とその解決をテンポ良く挟むことで読者が飽きないように計算されている。》と評す。

 今作は本国アメリカでは9月9日に刊行され、日本語版は11月6日に発売された。原著からわずか2カ月での刊行を実現するため、訳者の越前敏弥さんらは厳重な守秘契約のもと出版社の一室に集い、スマホを持ち込むことも許されず、ネットに繋がらないパソコンと紙の辞書や史料を広げて作業を進めたという。大矢さんは「労働新聞」の書評でそうした労働環境にも触れ、《本紙読者であれば、このような環境を用意し、本国エージェントと翻訳家の間に立って交渉と準備を進めた出版社の苦労も想像できるのではないだろうか。大ヒットシリーズとはいえ、経費もかなりかかったはずだ。どれほど気を使ったことだろう。上下2巻に実際以上の重みを感じた。》と別の視点からの読み方も示している。ラングドン教授の冒険を楽しむとともに、作家・翻訳者・出版社それぞれが挑んだ奮闘に思いを馳せてみてはいかがだろう。

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1位 『シークレット・オブ・シークレッツ 上』 ダン・ブラウン[著] 越前敏弥[訳](KADOKAWA)

『ダ・ヴィンチ・コード』著者8年ぶり最新刊。ラングドンが帰ってきた! 象徴学を専門とする著名な大学教授ロバート・ラングドンは、プラハを訪れていた。最近恋仲になった気鋭の純粋知性科学者キャサリン・ソロモンの講演を聴くためだ。講演でキャサリンは、人間の意識にまつわる驚くべき発見について解説した著書を発表予定だと話した。しかしそれは、何世紀にもわたって人々が信じてきた通念を脅かしかねないほど斬新な内容だった――。 残忍な殺人事件が起こってラングドンは大混乱に巻き込まれ、キャサリンは原稿とともに突然姿を消す。物語がロンドン、ニューヨークへとひろがるなか、ラングドンは懸命にキャサリンをさがしながら謎を解明していく。そして、未来の科学や謎めいた伝承と苦闘したすえに、ある秘密のプロジェクトに関する衝撃の真実を知る。それは、人間の心についての常識を根底から覆すものだった。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位 『さよならジャバウォック』 伊坂幸太郎[著](双葉社)

<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー!結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに…。途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。(双葉社ウェブサイトより)

3位 『最後の一色 上』 和田竜[著](小学館)

本屋大賞受賞作家が描く、戦国巨編 「二〇一九年七月、取材を本格化。『村上海賊の娘』以降、遊んでいたわけではありません。この小説を書いていました。 この丹後一色氏最後の男の物語を。」 和田竜 「信長か。珍しゅうもない。ざらにいる男よ--。」 織田信長による天下布武の軍団が日本全土を侵略していくなか、その怪物は戦場にあらわれた。名を丹後の守護大名、一色義員(いっしき・よしかず)の嫡男・五郎(ごろう)と言った。 17歳の青年は、父が倒された圧倒的不利な状況下で、凄惨な戦闘を繰り広げ、その場にいた全ての人間を恐怖に陥れる。(小学館ウェブサイトより)

4位 『シークレット・オブ・シークレッツ 下』 ダン・ブラウン[著] 越前敏弥[訳](KADOKAWA)

5位 『飼い犬に腹を噛まれる』 彬子女王[著] ほしよりこ[絵](PHP研究所)

6位 『神の庭付き楠木邸11』 えんじゅ[著](KADOKAWA)

7位 『最後の一色 下』 和田竜[著](小学館)

8位 『捨てられ公爵夫人は、平穏な生活をお望みのようです3』 カレヤタミエ[著](TOブックス)

9位 『イン・ザ・メガチャーチ』 朝井リョウ[著](日本経済新聞出版)

10位 『災悪のアヴァロン 7 ~最強軍事国家主催のクラン闘争で、またも俺が激ヤセ無双を余儀なくされている件~』 鳴沢明人[著](ホビージャパン)

〈文芸書ランキング 11月25日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年11月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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