「男性は雑談が苦手」な理由とは? 会話にオチを求められる、自分語りはサムい、ノリ重視……雑談サービスの主宰者・桜林直子が語る

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男性が雑談できない理由とは?(写真はイメージ)

「雑談が苦手なんです」
「自分の話がうまくできない」
「いつも聞き役ばかり」

 そんな悩みを抱える人は、実は少なくない。

 そう語るのはマンツーマンの雑談サービス「サクちゃん聞いて」を主宰する桜林直子さん。

 ジェーン・スーさんとのポッドキャスト番組「となりの雑談」でも人気の桜林さんは、3000回以上の雑談セッションを行ってきた、いわば「雑談のプロ」だ。

 その桜林さんがしばしば耳にしていたのが、「男性は雑談が苦手」という説。

 男性の相談に向き合うなかで見えてきた“苦手の原因”とは何なのか? 女性との違いを比較しながら辿り着いた結論を桜林さんの著書『あなたはなぜ雑談が苦手なのか』(新潮社)から一部抜粋・編集して紹介する。

なぜ男性は雑談が苦手なのか

「男性は雑談が苦手だ」という話をよく耳にする。もちろん人によるというのが大前提ではあるが、あまりによく耳にするので、触れてみたい。

 わたしのところに雑談をしにくる方は、わたしが女性だということもあってか、9割以上が女性だ。そんな中、話をしにきてくれた男性と、こんな話をしたことがある。

「普段、雑談ってしますか?」
「働き始めてからは少しするようになったし、仲のいい友達とも話せるようになったけど、学生の頃まではぜんぜんできなかったんです」
「そうなんだ。雑談する必要がなかったのかな」
「友達と会話はするんですけど、みんな自分の話をすることはほとんどなかったんじゃないかな」
「ああ、何人かで共通の話題となると、コンテンツや他人について話すことになるよね」
「はい。それに、自分のこと語り出すの“サムい”みたいな空気があった気がする」
「そうなんだね。1対1で話すときもそんな感じ?」
「まず1対1でじっくり話すことがないですね」
「グループの空気やノリみたいなのが生まれるのか」
「そのグループの中で、なんとなく役割みたいなのがそれぞれできてしまって、いつもおふざけ役のヤツが急に真面目な話をしにくいとかはあった気がする。それと、『オチは?』とか『で、結論は?』みたいに急かされたり茶化したりされるから、話せないというより、怖くて話したくなかったですね」
「それは話したくないねー」

「お茶しよう」をしない男性たち

 思い返せば、小学生の頃から女の子たちはよくおしゃべりをしていた。もちろん一緒に何かをして遊ぶこともあったが、高学年にもなると、時間を忘れるくらい話し込んでしまったり、噂話をしたり、悩みを相談したりしていたような気がする。

 一方、その頃男の子たちは、ゲームやスポーツなどを一緒にすることで「友達」になっていた。男の子ふたりがおしゃべりしている姿より、ふざけて戯れあったり、謎に走り回ったり、夢中で何かを作っていたりする姿を思い出す。

 これは単純に文化の違いだったように思う。能力の有無というよりも、ただそういう環境で育ってきたのだ。だから、女の子たちは大きくなってもおしゃべりコミュニケーションで友達を作るのが上手で、自己開示することで関係性をつくる術を知っているのだろう。

 女性同士だと「お茶しよう」と誘って、お茶を飲みながらとりとめもなく話し込んで、何時間も過ごすことがある。わたしも“大好物”だ。「お茶しよう」≒「おしゃべりし
よう」という意味で使っていることが多い。

 男性の友人知人に、男性同士で「お茶しよう」と誘って、おしゃべり目的で会うことはあるかと尋ねてみると、具体的な相談などの要件がないと誘いにくいし、「飲みに行こう」は言えても、「お茶しよう」はないという答えが多かった。

 飲みには行っているのだから、お酒の場ではおしゃべりしているじゃないかと問うと、それでも、自分の話をするのは抵抗があり、仕事の話や社会の話、他人の話など外側の話が多いのだという。ある人は「自分に矢印を向けるのが怖いから、わざわざ向き合うことはしない」と言っていた。

桜林直子
1978年、東京都生まれ。洋菓子業界での勤務を経て、2020年にマンツーマン雑談サービスをスタート。著書に『世界は夢組と叶え組でできている』『つまり“生きづらい”ってなんなのさ?』などがある。ジェーン・スーさんとのポッドキャスト「となりの雑談」も人気。

新潮社
2025年12月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「週刊新潮」「新潮」「芸術新潮」「nicola」「ニコ☆プチ」「ENGINE」などの雑誌も手掛けている。

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