“ガラケー時代”に「YouTubeやった方がいい」と語っていた“天才・飯島愛”がロケバスで見せた意外な一面とは

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東京大学の五月祭に登場した飯島愛さん(1993年撮影)

 2008年の12月24日に自宅で亡くなっているところが見つかった、飯島愛さん(享年36)。愛らしいキャラクターでどんな大物にも物怖じせず鋭いツッコミを入れ、誰もが感じていることをズバッと言い表す。一方で落ち込みやすいところもあり、ロケバスでは不安や弱音を漏らすこともあったという。長年共演してきた中山秀征さん(58)が飯島さんとの思い出を著書『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)で明かしている。同書より一部抜粋・再構成して紹介する。

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19年間愛された『ウチくる!?』のコンセプトは雑誌『明星』『平凡』から

「長寿番組」という言葉に明確な定義はありませんが、テレビ放送70年の歴史を考えると、10年続けば立派な長寿と言えるのではないでしょうか。

 僕は『DAISUKI!』や『TVおじゃマンボウ』など長寿番組に恵まれたのですが、その中でも、19年間も愛してもらった、僕史上“最長寿番組”といえば、フジテレビ系で日曜お昼12時から放送されていた『ウチくる!?』(1999~2018年)です。

 この番組は、生まれ育った街や、思い出深い場所を案内してもらうことで、ゲストが“素顔”を見せてくれるロケバラエティ。メインゲスト、サプライズゲストを合わせ、実に4000人以上の方々に出演していただきました。最高視聴率は16・5%と、お昼の時間帯としては異例でした。

 僕にとって『ウチくる!?』は、企画の立ち上げから本格的にかかわった初めての番組として、特別な思い入れもあって……。

 19年間貫いた番組コンセプトは、「故郷に錦を飾る」でしたが、実はこれ、僕が幼い頃から愛読していた雑誌『明星』や『平凡』をベースに考えたモノでした。

 当時の芸能情報誌には、トシちゃんや聖子ちゃんなど、当代の人気アイドルが、生まれ故郷に帰って、思い出の駄菓子屋に行ったり、学生時代の友達と昔話に花を咲かせたりする、名物企画がありました。

 有名人が地元で“素の表情”を見せる……。「あの企画をテレビでできたら、日曜昼にピッタリじゃないか」と思ったのです。

 そもそも、フジテレビ・日曜12時といえば、僕が所属する渡辺プロダクションが番組制作にも携わる大切な時間帯でした。その時間帯のフジテレビは1976年の『クイズ・ドレミファドン!』から1990年の『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』まで、長く人気番組が続いていました。

 しかし、90年代後半に入り苦戦を強いられていました。

 TBSは、現在も続く『アッコにおまかせ!』が、日テレは、KinKi Kids の番組が放送されていたまさに“激戦区”。

 僕は、1997年に初めて、この枠のMCを任されたのですが……。

3連続ヒットなし…背水の陣で挑んだのが『ウチくる!?』だった

『トロトロで行こう!』『OH!トロ2で行こう』『そう快!ヒデタミン』と、形を変えながら放送された3つの番組は、残念ながらどれもヒットしませんでした。もしこの3番組をすべて観ていたという方がいたら、かなりのマニアだと思います(笑)。

 せっかく大切な時間帯のMCを任せてもらったのに結果が出ない。「このまま終わるのは悔しい。終わるならフルスイングしたい」と、僕は賭けに出ました。昔から一緒にやってきた制作会社に声をかけ、企画書を作り、プロデューサーに「自分たちの企画で勝負させてほしい」と相談したのです。

 スタジオショーだった番組を、『DAISUKI!』のようなオールロケにし、さらに、「ゲストを主役にする」ために、愛読誌を参考に「故郷に錦を飾る」というコンセプトを考えました。

 こうして『ウチくる!?』の企画が出来上がったわけですが、いくらMCであっても、タレントが制作会社を連れてきて、自分の企画をやりたい……なんて、タレントの裁量を超えていたかもしれません。なので「ダメならこの枠から身を引くので、3カ月だけ任せてください」と、覚悟を持って一か八かの大勝負に出ました。まさに背水の陣。

 第1回のゲストは、僕が若い時からお世話になっていた研ナオコさん。生まれ故郷の静岡を案内してくれました。

 研さんは、番組のコンセプトに大いに乗っかってくれて、実家からお忍びで行くお店まで、すべての場所にカメラを入れさせてくれました。実家では親族の皆さんが勢ぞろいでもてなしてくれたのですが、顔を見れば、皆さん、研さんそっくりで……。笑いをこらえられませんでした(すみません!)。

 もちろんトークも大いに盛り上がり、番組のラストで感動のお手紙が読み上げられると、今度は一同涙して。

 初回ロケを終えた直後に「この番組はイケそうだ」と大きな手ごたえを感じました。先輩の懐の深さと、親族の皆さんのキャラクターの濃さに感謝です。

 そんなふうに、放送が始まる前から、「いい番組になりそう」という予感はあったものの、それだけでは『ウチくる!?』が19年も続くことは、おそらくなかったでしょう。「いい番組」を「おもしろい番組」にしてくれたのは、ゲストの皆さんの魅力はもちろんですが、間違いなく、ある共演者の「力」が大きかったと思います。

 初代MCを務めてくれた、飯島愛さんです。

中山秀征(ナカヤマ・ヒデユキ)
1967年生まれ。群馬県出身。テレビタレント。14歳でデビューして以来40年以上にわたり、バラエティ番組や情報番組の司会、俳優、歌手として活躍している。

Book Bang編集部
2025年12月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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