【話題の本】『教養としての囲碁入門』大沢摩耶著 仕事も三手先を読む

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古くは君子のたしなみである「琴棋書画」の一つとして、平安貴族や織田信長らの戦国武将もいそしんだ囲碁。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといった世界的な経営者も親しむなど、ビジネスとの親和性は高い。ただ有用だとは知っていても、いざ自分が始めるにはハードルが高くて…。そんな声に応える異色の囲碁入門本が話題を集めている。

本書の最大の特徴は、囲碁の手筋と具体的なビジネスの場面を重ね合わせた、三手先を読む戦略的思考法の解説だ。「取引先に価格交渉を持ち掛けられたときにどう対処するか」という課題でも、相手の選択によらず自分に有利な場所を残す囲碁の「見合い」の考え方を応用する。

版元のPHP研究所によると、ビジネス書を扱う書店員から好評で、発売前に重版が決定。同社ビジネス・教養出版部の大隅元編集長は「ビジネスパーソンに向けて囲碁の効用を説いたものや、読み物としての面白さがある入門本はあまりなかった。三手先の先読み力など、一流経営者がレクチャーを受ける内容が一冊になっている」と太鼓判を押す。

「手談」とも呼ばれる囲碁は、碁盤を挟んで相手の気持ちを推し量るゲームでもある。仕事だけでなく人生にも効く一冊だ。(PHP研究所・2090円)

村嶋和樹

産経新聞
2026年2月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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