「フィクションに救われた人たちの物語」映画も話題の『木挽町のあだ討ち』 書評家が読みどころを解説[文庫ベストセラー]
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- 木挽町のあだ討ち
- 価格:781円(税込)
3月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『木挽町のあだ討ち』が獲得した。第2位は『南の罠 ラストライン8』、第3位は『珈琲店タレーランの事件簿9 ピーベリーは美しく輝く』となった。
1位の『木挽町のあだ討ち』は2月27日に映画版の公開がはじまり大きな話題となっている。同作は2023年に第169回直木賞を受賞した作品。芝居町として知られる木挽町で行われた仇討ちの顛末が描かれる。物語は仇討ちの二年後、木挽町で生きる人々が若い侍に当時の話を聞かせていく独白スタイルで進む。侍は、木戸芸者や殺陣師、女形、小道具を作る職人や劇作者ら仇討の目撃者に顛末を聞くととともに、彼らがそれぞれどのように生きてきたかも教えて欲しいと頼み込む。仇討の経緯や背景が明らかになるだけでなく、目撃者の話す自身の過去からはあるテーマが浮かび上がる。
書評家の大矢博子さんは同書を《これは芝居に救われた人たちの物語》と一言であらわす。目撃者たちには《ひとりひとりにまったく異なるドラマがあり、涙や怒りや虚無があり、けれどそれを乗り越えて今日を生きている。何度も胸が詰まった。》と紹介。そんな彼らは一様に芝居と関わることで救われており《フィクションに救われた彼らの〈物語〉は、そのまま読者である私たちを救ってくれる。だから私は小説を読むのだと、小説を紹介する仕事をしているのだと、すとんと腹に落ちた気がした。》と自身の気持ちも救われたと述べる。さらには《ところが驚くべきことに、この物語にはその先があるのだ。第五話の途中で思わず声を上げてしまった。そこにつながるのか、そういうことか。物語は終盤で大きくその様相を変える。》《本書は時代ミステリとしても一流だとだけ言っておこう。実にテクニカルだ。》と同書が高い評価を受けた理由を解説している。
映画では主人公の侍を柄本佑さんが演じ、芝居小屋で仇討ちの裏で何かを企む立作者・篠田金治を渡辺謙さん、父の仇討ちを願う菊之助を長尾謙杜さん、その他北村一輝さん、沢口靖子さんらが出演している。
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1位『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子[著](新潮社)
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(新潮社ウェブサイトより)
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- 南の罠 ラストライン8
- 価格:946円(税込)
2位『南の罠 ラストライン8』堂場瞬一[著](文藝春秋)
岩倉の仇敵METOが再び活動を開始!?だがその矢先、創設者と目されている牟田涼が帰国早々殺害される……。外事四課が武器の密売組織METOの創設者・牟田涼が帰国するとの情報をキャッチ。METOと因縁がある捜査一課の岩倉剛も協力を求められた。だが、羽田空港で牟田の帰国を待つ捜査員たちの目前で、牟田は迎えの車ごと爆殺されてしまう。捜査陣は牟田の周辺の人物を徹底的に洗い出す。岩倉も相棒の伊東彩香とともに牟田が拠点にしていたシンガポールに飛び、牟田の事実上の妻や部下たちと接触するも、なかなか組織と事件の全貌は見えてこない。やがて岩倉たちを狙った銃撃事件も発生する――。いよいよ岩倉vs.METOもクライマックスへ!シリーズ中、最も火薬のにおいが漂う第8弾。(文藝春秋ウェブサイトより)
3位『珈琲店タレーランの事件簿9 ピーベリーは美しく輝く』岡崎琢磨[著](宝島社)
シリーズ累計265万部突破! 芳醇にして繊細 香り立つ喫茶店ミステリー 連続する低評価レビューにかけ替えられた文庫カバー、消失した猫……その日、店で何が起きていたのか?バリスタの切間美星と店員アオヤマの推理は!?特典掌編「優しい人」も収録。(宝島社ウェブサイトより)
4位『殺人の門 上 新装版』東野圭吾[著](KADOKAWA)
5位『ほどなく、お別れです』長月天音[著](小学館)
6位『超かぐや姫!』スタジオクロマト[原作]スタジオコロリド[原作]桐山なると[著](KADOKAWA)
7位『遺恨 影ノ剣 密命(十)決定版』佐伯泰英[著](文藝春秋)
8位『一次元の挿し木』松下龍之介[著](宝島社)
9位『方舟』夕木春央[著](講談社)
10位『殺人の門 下 新装版』東野圭吾[著](KADOKAWA)
〈文庫ランキング 3月10日トーハン調べ〉
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