【話題の本】『メディチ家 12の物語』中野京子著 名画が彩る権謀術数の歴史

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『怖い絵』などで知られる著者の人気シリーズ『名画で読み解く 欧州名家12の物語』の第6弾。ハプスブルク家に始まり、ブルボン王朝、ロマノフ家、イギリス王家、プロイセン王家と欧州の名門を渡り歩いてきた本シリーズは、ルネサンスの都フィレンツェに君臨したメディチ家で完結を迎えた。2月18日に発売された5年ぶりの新刊は2刷4万部となり、シリーズ累計は45万部に迫る。

担当編集者によると、もともとは1冊きりの予定だったが、評判が良かったためシリーズ化。「こんなに長く続くなんて」と振り返る。

本書では、一介の商人から君主へと上り詰めたイタリアの一族の、裏切りと華やかさに満ちた350年の歴史をひもといていく。ボッティチェリの『東方三博士の礼拝』やラファエロの『レオ十世と二人の枢機卿』、ミケランジェロの『最後の審判』といった巨匠たちの傑作が、一族の興亡を彩る。

名画に秘められた欲望や愛憎を読み解く著者ならではの語り口が楽しい。担当編集者は「中野先生は人物を生き生きと描く。世界史の知識がなくても、実物の絵を見に行きたいと思わせる力がある」と魅力を語った。(光文社新書・1078円)

三宅令

産経新聞
2026年4月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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