微積分法を編み出し、「万有引力」を発見したニュートンってどんな人?【世界を変えた天才科学者を紹介】

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アイザック・ニュートン(イラスト:小松聖二)

 歴史を大きく動かした発見や理論は、決して「特別な天才」だけが生み出したものではありません。

 むしろその裏側には、失敗や偶然、常識への疑い、そして何よりも尽きることのない好奇心がありました。

 世界を変えた科学者たちは、どのように考え、何に悩み、どうやって常識を覆したのか?

 本稿では、科学者たちのひらめきとその偉業を紹介した『天才科学者の頭のなか―世界を変えた50のひらめき―』(左巻健男・著)から一部を抜粋・編集して紹介します。

ニュートンってどんな人?

 ニュートンは17世紀にイギリス東海岸の小さな村で生まれました。生まれる前に父を亡くし、3歳で母親と離れ、14歳で継父(母が再婚し、父となった人)が病死、2年間農民として働いてから継父の遺産でやっと学校に復帰します。

 そんな厳しいスタートから、一気に流れが変わっていきます。ケンブリッジ大学トリニティカレッジに給仕学生(給仕で学費を賄う学生)として進み、奨学金を得て卒業。ペストの流行で大学を一時離れ、再び戻った時に運よく研究員になりました。そこでは師に気に入られ、のちに師のあとをついで教授に。その後は、教え子が財務大臣になり、そのはからいで王立造幣局長官になります。

 さらに、国会議員となり、爵位も得て、なんとイギリス科学界の中心である王立協会会長にまで上りつめます。最後は85歳で国葬された彼は、科学者としては稀な大成功を収めた人物だったのです。

 現在、自宅は図書館となり、彼の名は国際単位系における「力」の単位になっています。

微積分法を編み出し運動方程式を完成

 ニュートンと言えば万有引力の発見です。

 これは、どんな2つの物体でも、それぞれの物体の質量に比例し、距離の二乗に反比例する力で常に引き合っている、という法則です。

 この考えにたどり着くまでの道のりを見てみましょう。

 彼はまずケプラーの第二法則を数式で説明しようとしました。しかし面積の計算が複雑で、難しかったため、面積を“細い線の集まり”としてとらえる方法を思いつきました。これが、のちに積分法と呼ばれる考え方です。

 また、ケプラーは太陽を周回する惑星の軌道は、太陽からの影響を受けて決まると考えていました。ニュートンはそれを引力だとして、先の第二法則と引力があれば惑星の軌道が計算できることを示します。

 次に惑星が太陽に近づくと速く、遠ざかるとゆっくりになる、その速度の変化を“加速度”としてとらえ、太陽からの力が太陽からの距離の二乗に反比例することも導き出し、計算に便利な微分法という新しい数学をつくりました。

 結果として天体の動きがうまく説明できたので、今度はそれを地上でも使えないかと考えました。

 でも、そもそもどの高さまでが地上なのでしょう。ニュートンは、遠くの星を見るために自身でつくった反射望遠鏡で観測していましたが、天地の境なんて見たことありません。それなら天体が落ちてこない理由も、逆に地上で物が落ちる理由も、ぜんぶ引力と加速度で説明できるはずだと考えました。

 そして44歳の時、全3巻の『プリンキピア』を書き上げ、世界の動きを力で説明しました。こうして万有引力をもとにした「力学」が完成したのでした。

【アイザック・ニュートンの主な功績】
・運動方程式を完成
・微積分法の発明
・光の粒子説を提唱
・反射望遠鏡の発明

左巻健男(さまき・たけお)
東京大学非常勤講師。元法政大学生命科学部環境応用化学科教授。『理科の探検(RikaTan)』編集長。専門は理科教育、科学コミュニケーション。1949年生まれ。千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻を修了。中学校理科教科書(新しい科学)編集委員・執筆者。大学で教鞭を執りつつ、精力的に理科教室や講演会の講師を務める。おもな著書に、『面白くて眠れなくなる化学』(PHP)、『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』(ダイヤモンド社)、『新しい高校化学の教科書』(講談社ブルーバックス)などがある。

左巻健男(さまき・たけお)

あさ出版
2026年5月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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