老衰で亡くなった佐藤愛子 晩年の姿や思い出を娘が綴った『憤怒の人 母・佐藤愛子のカケラ』に注目 孫によるコミックエッセイも連載中[文芸書ベストセラー]

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100歳の誕生日にSNS投稿された佐藤愛子さんの写真(※杉山響子さん『憤怒の人』&佐藤愛子さん『九十歳。何がめでたい』シリーズ公式Xより)

 5月12日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『イン・ザ・メガチャーチ』が獲得した。第2位は『謎の香りはパン屋から2』、第3位は『謎の香りはパン屋から』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした『憤怒の人 母・佐藤愛子のカケラ』。4月29日に102歳で亡くなった作家・佐藤愛子さんの娘、杉山響子さんによるエッセイ集だ。認知症が進行していく母の姿と、自身の記憶に刻まれた母の面影を綴った一冊。「憤怒の人」「怒りの佐藤」と呼ばれた“活火山”のような母と、一つ屋根の下で長く暮らしてきた杉山さんだからこそ描けた、肉親としての佐藤愛子像が浮かび上がる。本書は、杉山さんが雑誌「女性セブン」で連載していたエッセイをまとめたもの。さらに現在、雑誌「婦人公論」では孫の杉山桃子さんもコミック&エッセイ「うちのばあさん102歳 佐藤愛子、無敵の老い方」を連載しており、家族それぞれの視点から佐藤さんの晩年の姿が描かれている。

 佐藤愛子さんは1950年に『青い果実』でデビュー。1969年、夫の借金に苦しみながらも奮闘する姿を描いた『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞を受賞した。2000年には、自らの一族の壮絶な歴史を圧倒的な筆致で描き切った自伝的大河小説『血脈』で第48回菊池寛賞を受賞。ユーモア溢れる毒舌と、力強い人間賛歌に貫かれたエッセイも多数執筆し、2016年刊行の『九十歳。何がめでたい』は映画化もされた。近年は自身の老いや物忘れを率直に公表しながら執筆活動を続けていた。2026年4月29日に老衰のため逝去。訃報は5月15日に小学館から発表された。心よりご冥福をお祈りいたします。

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1位『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ [著](日本経済新聞出版)

沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」(日本経済新聞出版ウェブサイトより)

2位『謎の香りはパン屋から2』土屋うさぎ[著](宝島社)

『このミステリーがすごい!』大賞受賞のベストセラー続編 メロンパン、デニッシュ、カツサンド、フレンチトースト、塩パン…… 美味しい〈日常の謎〉いただきます!(宝島社ウェブサイトより)

3位『謎の香りはパン屋から』土屋うさぎ[著](宝島社)

謎はクロワッサンのように折り重なり、カレーパンのように刺激的!パン屋さんでの〈日常の謎〉を解く“美味しい”ミステリー 大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉(ギリシャ語で「美味しい」という意味)でアルバイトをしている大学一年生の市倉小春。そこに持ちこまれる数々の謎を解決する小春の推理と活躍!焼きたてのパンの香り漂う〈日常の謎〉連作ミステリー!(宝島社ウェブサイトより)

4位『憤怒の人 母・佐藤愛子のカケラ』杉山響子[著](小学館)

5位『ネタバレあり 双紋島の殺人』下村敦史[著](光文社)

6位『暁星』湊かなえ[著](双葉社)

7位『青天』若林正恭[著](文藝春秋)

8位『月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった』川代紗生[著](サンマーク出版)

9位『大河の一滴 最終章』五木寛之[著](幻冬舎)

10位『熟柿』佐藤正午[著](KADOKAWA)

〈文芸書ランキング 5月12日トーハン調べ ※書名・著者名・巻数などの表記はトーハン発表に基づく〉

Book Bang編集部
2026年5月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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