
老若男女に「神対応」の明石家さんま
一年以上前に投稿されたインスタグラムの動画が再度注目されている。動画の中味は、新幹線の中での乗客の赤ちゃんと明石家さんまとの心温まる交流の様子を捉えたもの。
赤ちゃんからクシャクシャのビニールのようなものを差し出されたさんまは、満面の笑みでお辞儀しながらいったん受け取る。そのうえでうやうやしく赤ちゃんにそれを返却。その対応に赤ちゃんも嬉しそうに体を動かす――ほんの数秒の動画ながら、多幸感に満ちているためか、投稿された時にはかなりの話題となった。
それがまた最近、「さんまさんは、赤ちゃんの笑いのツボさえ本能的に理解してる」(「りら」さん・6月10日)といった文章と共にXで紹介されたところ、再び反響を呼び、同投稿の表示回数は1日で450万超に。オリジナルのインスタグラムのほうには、さんまが赤ちゃんを抱っこしている写真も掲載されている。なお、最近、元妻である大竹しのぶが、さんまが初対面の孫をも笑わせたというエピソードを自身のラジオ番組で披露したことも話題となっている。
話を新幹線での交流に戻せば、明石家さんまのいわゆる「神対応」については、これまでにも数々の体験談や目撃談が報告されている。「踊る!さんま御殿!!」などのヒット番組でプロデューサーをつとめた吉川圭三氏もまた、長い付き合いの間で何度となくそうした場面に遭遇したという。吉川氏の著書『人間・明石家さんま』で紹介されているエピソードをいくつかご紹介しよう(以下、引用は同書より)。
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- 人間・明石家さんま
- 価格:946円(税込)
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成田空港のそば屋で「おばはん、元気やったか~!」
まずは空港での一コマ。友人らと年末年始にはオーストラリアに行くのが恒例なのだが、その際、成田空港のそば屋に行くのがルーティンだ。
「一行が食べ終わって店を出ようとすると、白いエプロン姿の年配の女性従業員から『さんまさ~ん!』と声がかかる。するとさんまはニッコリ笑ってこう答える。
『おお、おばはん、元気やったか~! いつも白いエプロンが目に眩しいわ!』
彼女も覚えてもらっていたうえに、『愛あるツッコミ』を受けて大満足。
『うん、元気よ。やっとさんまさんに会えた~。年に一度の楽しみよ』
『ありがとう、もうちょっと話したいけど、そろそろ出発やねん。ほな、元気で。また来年な~』
彼女のほうも心得たもので、サインを求めたり、スマホで一緒に写真を撮ったりはしない。さんまには、こういう『馴染みの一般人』が至るところにいるが、どこでもいつでも相手のことを覚えている。そして、相手がうれしくなるような一言を投げかける」
東京ドームにて
もう一つ、東京ドームでの巨人戦観戦の場面を見てみよう。巨人戦を見たいと言われた吉川氏は席を用意した。吉川氏は当時日本テレビ社員だ。
ところが何かの手違いで、通常用意される特別席ではなく、一般客と同じ一塁側内野席。青ざめる吉川氏。
「しかし、動揺を隠せない私に気を遣ってか、到着した明石家さんまは席に座るなり『応援に向いた、試合が見えるエエ席やんか』と呟くと、そそくさとどこで入手したのか巨人軍の鉢巻きとヘルメットとハッピとメガホンを手提げ袋から取り出して『ほら吉川君も着て』と私の分も渡し、鼻歌交じりに大声で応援し、楽しそうにしている。試合が始まると、『次はこういう展開になるで』と解説を始め、8割方さんまの言うとおりに試合は展開した。
しかしゲームの序盤、もっとも私が恐れていたことが起こった。観客席が、試合の盛り上がりとはまったく別のタイプの『ざわつき』を見せ始めていた。そう、東京ドームの満員の全5万5000人の観客達が徐々に『明石家さんまが東京ドームの観客席にいる』と気付いてしまったのだ。
『さんまさん、サインしていただいてもいいですか?』
『大ファンなんです! さんまさん、握手してください!』
『写真を息子と撮って頂いてよろしいですか?』
老若男女がさんまのもとに押しかける。いつしかその行列は40メートル、いやそれ以上に及んでいた。
『警備員を呼んできましょうか?』
と私が聞くと、さんまは、
『かまへん、かまへん』
と言いながら、サインや握手を一切断ることなく、最終回まで試合を観ながらサインを続けた」
同書で吉川氏は、さんまという人物はとても一言では語れないとしつつも、誰よりも「人間が好き」で「義理堅い」人物だ、ということは断言できる、と述べている。さまざまなエピソードの背景には人類愛のようなものがあるのかもしれない。
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