物価高・軍備増強・中国敵視 1930年代にあった「三点セット」 威勢のいい大義の言葉に酔い『戦争を甘く見る空気』は再び蔓延するのか[新書ベストセラー]

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 7月22日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』が獲得した。第2位は『継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」』、第3位は『年とる力』となった。

 4位以下で注目は5位に初登場の『戦争を甘く見る空気 1930年代と似た道を進む現代日本』。戦史・紛争史研究家の山崎雅弘さんが、日中戦争が勃発した1930年代と2026年の日本を比較検証した一冊だ。物価高と軍備増強、そして中国敵視。山崎さんは、いまの日本には1930年代とよく似た空気が広がっていると警鐘を鳴らす。書名の「戦争を甘く見る空気」とは、戦争がもたらす現実の悲惨さを直視しないまま、勇ましい言葉や強硬な姿勢が受け入れられていく社会の雰囲気を指す。日中戦争が勃発し、泥沼の大戦争へと向かっていった1930年代の日本社会を振り返りながら、当時の空気と現代日本の状況を重ね合わせて論じていく。

 山崎さんは同書のまえがきで《将来への漠然とした不安や、日常生活の中で自尊心の拠り所を見つけられずにいた国民は、国のトップに立つ政治家が特定国への強硬姿勢をアピールし、一丸となって自分たちの国を守ろうという勇壮な「国防の物語(ナラティブ)」を提示した時、そこに精神的な充実や高揚感を見出す可能性があります。「敵国」に強い姿勢をとる指導者に憧れ、威勢のいい大義の言葉に酔って、さらなる強硬姿勢を政府に求めるかもしれません》と述べ、《これは、古今東西の歴史で繰り返されてきた、動乱期の特徴でもあります》と説く。同書では、好戦的な世論が広がる背景や、戦争容認ムードを作り出す差別思想と自国優越思想、戦争の反省を拒む「保守」主義者、メディアと国民が戦争を後押しした実態など、さまざまな観点から時代の相似を検証し、歴史は繰り返すのかと読者に問いかけている。

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1位 『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』林真理子[著](幻冬舎)

70代は頭も体もまだ大丈夫。それなりに蓄えもできている。でもこれまでと全く同じことをしていたらダメ。できないことは諦め、楽しいことを大事にし、人生の新しいステージに立とう。同じ年代とばかりつるまず、ダイエットはしない。嫌われずに自慢話をするテクニック、お金にキレイな人と思われるおごり方――。72歳の人気作家が本音で語る「健康」「おしゃれ」「仕事」「お金」「人間関係」「趣味」。確実に近づく「その日」を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための、痛快・人生論。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位 『継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」』河内春人[著](中央公論新社)

5世紀以前、複数の王族集団から適任者が即位していた大王。だが6世紀初頭、ヤマト王権の招聘によって、王権との血縁が不明瞭な北陸の有力豪族が即位する。継体天皇である。彼はどのような背景を持ち、なぜ即位できたのか――。王位継承後、朝鮮半島の新羅、九州の国造磐井など敵対勢力と向き合い、反乱を収めて権威を確立していく。血統重視の世襲による天皇家を創った「始祖王」継体天皇と、6世紀の倭の実態を描く。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位 『年とる力』阿川佐和子[著](文藝春秋)

七十過ぎても楽しく元気に過ごす秘訣とは 誰にとっても初体験 着物、俳句……七十にして始める。喉もと過ぎれば更年期。一つ失うたびに笑ってみる。そんなに楽しいことばかりじゃないけどね(笑)■シリーズ累計237万部突破!■物忘れがひどい。すぐ疲れる。動脈硬化……。身体がボロボロになり、世の中は不安ばかり。高齢初心者になったアガワが披露する、これからの人生を楽しく笑って過ごすための51のヒント。(文藝春秋ウェブサイトより)

4位 『虚構の昭和史 海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽』保阪正康[述] 戸高一成[述] 大木毅[述](KADOKAWA)

5位 『戦争を甘く見る空気 1930年代と似た道を進む現代日本』山崎雅弘[著](朝日新聞出版)

6位 『知らないと恥をかく世界の大問題17 米・中・露、三極構造の時代』池上彰[著](KADOKAWA)

7位 『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』鶴見太郎[著](中央公論新社)

8位 『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる〈実践・成功編〉』佐藤優[著](飛鳥新社)

9位 『推したちとどう生きるか』三宅香帆[著](新潮社)

10位 『「アメリカの戦争」と世界危機 イラン侵攻は何をもたらすのか』三牧聖子[編](岩波書店)

〈新書ランキング 7月22日トーハン調べ ※書名・著者名・巻数などの表記はトーハン発表に基づく〉

Book Bang編集部
2026年7月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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