
1884年(明治17年)、福井県福井市の足羽山(あすわやま)に造られた「継体天皇像」
9月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』が獲得した。第2位は『高市早苗という病』、第3位は『継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」』となった。
3位にランクインした『継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」』は、5月の刊行以来、皇室典範の改正にともなう皇位継承の議論を受けて注目が集まり、ロングセラーとなっている。5世紀以前の倭国では、複数の王族集団から適格者が大王に即位していたとされる。ところが6世紀初頭、北陸地方からヤマト王権の有力豪族たちの招聘を受けて、王権との血縁関係が極めて不確かな人物が即位する。それが継体天皇だ。なぜ、有力豪族たちはそれまでの王権と血縁のつながらない彼を担ぎ上げたのか。なぜ彼の即位後、「世襲」が王権の原理として定着したのか。そしてなぜ彼は、後世「始祖王」と呼ばれるべき特異な位置を占めるに至ったのか。本書はこれらの問いに対し、8世紀に編纂された『日本書紀』『古事記』の記述に引きずられることなく、編者による改変の痕跡までを緻密に読み解き、近年の研究成果をもとにその実像に迫っていく。継体朝に起こったとされる任那四県割譲事件や磐井の乱といった内憂外患の実態を、朝鮮半島の情勢や考古遺物もふまえた視点から描き出す点も読みどころだ。
同書の刊行により継体天皇に注目が集まるなか、8月20日には、40年にわたり継体天皇を研究する歴史学者の水谷千秋さんによる『増補決定版 謎の大王継体天皇』(文藝春秋)も刊行された。こちらは2001年に文春新書から出た同名書の増補版で、その後の研究成果を反映した決定版となっている。
“謎の大王”への注目はますます高まっているが、継体天皇の「真の陵墓」とされる古墳に誰でも自由に入れることをご存知だろうか。宮内庁は継体天皇陵を大阪府茨木市にある太田茶臼山古墳(三嶋藍野陵)としているが、発掘調査の成果から、大阪府高槻市にある今城塚古墳こそ「真の陵墓」だとの説が有力となっている。こちらは宮内庁の陵墓指定を受けていないため、隣接する今城塚古代歴史館とともに高槻市の史跡公園「いましろ大王の杜」として整備されており、墳丘に自由に立ち入ることができる。大王墓に足を踏み入れられる、全国でも数少ない場所だ。多数のハニワが並ぶ埴輪祭祀場も再現されており、始祖王の時代に思いを馳せながら、古代史の聖地を訪ねてみてはいかがだろう。
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- 継体天皇
- 価格:1,100円(税込)
1位『80代になるとたいていボケるか死ぬ。70代は神様から与えられた特別な時間』林真理子[著](幻冬舎)
70代は頭も体もまだ大丈夫。それなりに蓄えもできている。でもこれまでと全く同じことをしていたらダメ。できないことは諦め、楽しいことを大事にし、人生の新しいステージに立とう。同じ年代とばかりつるまず、ダイエットはしない。嫌われずに自慢話をするテクニック、お金にキレイな人と思われるおごり方――。72歳の人気作家が本音で語る「健康」「おしゃれ」「仕事」「お金」「人間関係」「趣味」。確実に近づく「その日」を見つめ、今の1分1秒を楽しんで生きるための、痛快・人生論。(幻冬舎ウェブサイトより)
2位『高市早苗という病』適菜収[著](ベストセラーズ)
嘘の履歴書・経歴詐称・中傷動画工作・国会での虚偽答弁・裏金議員の起用・統一教会との深い関係・放送法文書問題・脱法幇助容疑・サナエトークン問題・・・etc.日本初の女首相は“稀代の女詐欺師”だった!高市の正体を徹底に暴いたのが本書である。(ベストセラーズウェブサイトより)
3位『継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」』河内春人[著](中央公論新社)
5世紀以前、複数の王族集団から適任者が即位していた大王。だが6世紀初頭、ヤマト王権の招聘によって、王権との血縁が不明瞭な北陸の有力豪族が即位する。継体天皇である。彼はどのような背景を持ち、なぜ即位できたのか――。王位継承後、朝鮮半島の新羅、九州の国造磐井など敵対勢力と向き合い、反乱を収めて権威を確立していく。血統重視の世襲による天皇家を創った「始祖王」継体天皇と、6世紀の倭の実態を描く。(中央公論新社ウェブサイトより)
4位『病気の9割は自分で治せる!』長尾和宏[著](PHP研究所)
5位『年とる力』阿川佐和子[著](文藝春秋)
6位『はじめてのベルクソン 時間をひらく哲学』平井靖史[著](講談社)
7位『漢字と音読みの謎を解く 呉音・漢音・唐音の奥深い世界』中澤信幸[著](中央公論新社)
8位『日本人とは何か 私たちのルーツを巡る700万年の物語』覚張隆史[著](SBクリエイティブ)
9位『量子コンピュータに何ができるか 知識ゼロから理解できる原理としくみ』小泉裕康[著](講談社)
10位『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』鶴見太郎[著](中央公論新社)
〈新書ランキング 9月1日トーハン調べ ※書名・著者名・巻数などの表記はトーハン発表に基づく〉
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