【話題の本】『限界OLクソ短歌』埃(hokori)著 日常の叫びが刺さる

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Xで約6千人のフォロワーを持つ〝限界OL〟の短歌集。

「家じゅうのコップがシンクで死んでいる 計量カップで飲む水うめ~」「いいですよ! なんでもやってやりますよ! 心は殺しておきましたんで」…。疲労困憊の日常や、労働への殺意、恋愛のときめきが、ユーモラスで時に乱暴、時に繊細な口語でつづられる。

出版のきっかけは文学作品の展示即売会「文学フリマ」。会場で売られていた本を、巡り巡って担当編集の福永恵子さんが入手。「どんな気持ちで詠んでいるんだろう。ぜひ会いたい」と連絡を取り、刊行が実現した。福永さんがこだわったのは「迫力のあるタイトルと、伝統的な短歌(和歌)を意識した構成」だ。

現在は3刷1万1千部。「これまで短歌に触れたことがない人たちに届けたい」との福永さんの狙い通り初心者層の心をつかんだ。むき出しの言葉の中に「過去の記憶」や「リアルな感情」を見いだす読者が相次ぎ、短歌集としては珍しく世代や性別を超えて熱狂的な反響を呼んでいるという。年配の男性から「(最近の若い人が)そういうものだと分かってよかった」との声も届くなど、世代間ギャップを埋める一助にもなっているようだ。(産業編集センター・1760円)

三宅令

産経新聞
2026年9月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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