非正規クライシス

非正規クライシス

著者
北川慧一 [著]/澤路毅彦 [著]/古賀大己 [著]
出版社
朝日新聞出版
ISBN
9784022514820
発売日
2017/11/20
価格
1,430円(税込)

内容紹介

日本経済を直撃!! 非正規労働者、4割の危機

2016年、非正規労働者数ははじめて2千万人を突破した。年収200万円以下の働き手も2割台半ばを占めるようになり、ワーキングプア(働く貧困層)の問題は依然として深刻である。

本書は、2016年から2017年にかけて朝日新聞紙面に掲載された非正規労働に関する記事を大幅に加筆して収録。非正規雇用からなかなか抜け出せずにいる就職氷河期世代、派遣労働者や非正規公務員の実態、2017年9月に判決が出た日本郵便裁判などの最新の事例など、「非正規」にまつわるさまざまな問題を朝日新聞の3人の記者が総力取材した。

■目次
はじめに 朝日新聞記者・北川慧一

【第一章】非正規にはまるミドル世代
●41歳男性、4度目の就職活動
●3年で辞表。非正規の道へ
●リーマンショック。1カ月で解雇
●2015年、派遣法改正のあおり
●ミドル問題は経済にも打撃
●ミドル世代へのサポート
●ミドルの雇用に前向きな企業も

(コラム1)非正規ミドルは社会全体の問題
――金沢大学名誉教授・伍賀一道

【第二章】 非正規労働のかたち
●非正規労働者が支える現場
●持病を抱え残業まで
●明日は我が身
●急増する非正規シニア
●広がる派遣労働の道
●派遣労働者として生きる
●非正規の連鎖
●残された日雇い派遣

(コラム2)職業訓練を就職につなげる対策を
――中央大学経済学部教授・阿部正浩

【第三章】官製ワーキングプア
●地方公務員法が改正されても
●あいまいな三つの規定
●改正で失う労働基本権
●改善した労働条件を守れるか
●すでに条件切り下げの動き
●身分不安定、変わらず
●「任用」という壁
●法改正は期待外れ
●担任なのに非正規教員
●非正規教員は10年で倍増

(コラム3)無理なくできる類型作りから
――地方自治総合研究所研究員・上林陽治

【第四章】最低賃金という砦
●まともな生活ができる賃金を
●最低賃金はどう決まるのか
●最低賃金引き上げ訴訟
●「生計費」と最低賃金
●政権がめざす賃金底上げ
●「3%」に地方は反発
●なぜ都道府県で格差が広がるのか
●最低賃金引き上げは世界の潮流

(コラム4)日本の最低賃金は最低レベル
立教大学法学部准教授・神吉知郁子

【第五章】声をあげる非正規
●司法の壁、メトロコマース裁判
●同じ仕事で異なる待遇
●格差是正に向けての闘い
●「同一労働同一賃金」の提唱
●役割と責任に違いはあるか
●裏切られた20条への期待
●合理性「企業が証明を」
●11人が日本郵便を訴える
●年賀状を配る手当に差も
●「重い職責期待していない」
●未来に希望を灯す判決
●全国で続く20条裁判
●無期の権利を得る「5年ルール」
●企業側にも無期転換の動き
●一方で雇い止めの裁判も
●日本経済を持続させるために

(コラム5)政府主導は有効な方法の一つ
――東京大学社会科学研究所教授・水町勇一郎

おわりに 朝日新聞編集委員・澤路毅彦

データ取得日:2024/04/20