1964 東京ブラックホール

1964 東京ブラックホール

著者
貴志 謙介 [著]
出版社
NHK出版
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784140818237
発売日
2020/06/27
価格
1,870円(税込)

内容紹介

東京五輪が開催され、高度成長の象徴としてノスタルジックに語られる1964年。しかし、その実態はどうだったのか。膨大な記録映像と史資料を読み解き、見えてきたのは、首都の「闇」。すなわち、いまも残る、この国の欠陥だった――。

労働者搾取、格差社会、性差別、猟奇犯罪、東京一極集中、一党支配、対米依存、汚職・隠蔽、そして疫病の蔓延――。

日本中を震撼させたNHKスペシャル「東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年」が、待望の書籍化!

1964年、膨張を続ける首都・東京。その実相がこの本であらわになる。

■都民1000万の糞尿は東京湾沖合に流される
■赤痢、チフス、コレラが流行する疫病都市だった
■生活苦にあえぐ労働者は、みずからの血を売った
■五輪マネーをめぐって汚職が激増。都庁は「腐敗の巣窟」だった
■ヤクザの襲名披露で、自民党副総裁が祝辞を述べた
■少年犯罪は戦後のピークに。中流家庭の子弟が凶悪事件を起こす
■米軍機墜落事故が続発。ベトナム戦争は東京ではじまった
■六本木・赤坂ではスパイが暗躍し、カネと情報が交換された
■五輪閉幕後、戦後最悪の不況が訪れた

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 失われた記憶をよみがえらせるための強力な手がかりは、国内外に残された一万本を超える記録映像である。フィルムに刻印された映像から得られるものは多い。さまざまな光景が時を超えて、思いがけない意味を獲得し、一九六四年のリアルが「忘却の海」から姿を現しはじめる。(略)
 埋もれていた映像からよみがえるのは、繁栄の陰でさまざまな矛盾に苦しめられ、不安と焦燥に苛(さいな)まれる無数の人生だった。一九六四年の記憶の大半は、「忘却の海」に沈められていた。わたしたちは紋切り型のイメージを除けば、この年の劇的な出来事をほとんど何も知らないのである。(プロローグより抜粋)

データ取得日:2024/04/25  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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