口腔医療革命 食べる力

口腔医療革命 食べる力

著者
塩田 芳享 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784166611140
発売日
2017/01/20
価格
858円(税込)

内容紹介

「食べられない」高齢者が急増!? 健康長寿のカギは口腔機能にあり!

お年寄りが病院から退院すると、入院前よりも“元気がなくなっている”と思ったことはないだろうか。退院はしてきたものの、体力・免疫力は返って弱っていると。実は、ここに現在医療の大きな問題が隠されている。
多くの医療現場では、『治療中なんだから食べることくらいは我慢しろ』という風潮が蔓延している。高齢者の場合、特にそれは顕著だ。合わない義歯は管理が難しいと強制的に外され、食べることが少しでも危険だと判断されると、食事はほとんどが流動食、点滴、ひどい場合は、経鼻経管栄養や胃ろうにされてしまう。なぜ、こんなことが起こるのだろうか?

急性期病院とは、専門医の集まりである。治療すべき臓器を専門医が受け持つ。
専門医とは、良い意味でも、悪い意味でも、自分の専門を第一に考え、それに危険なファクターはできるだけ排除しようとする。病院内で『食が軽視される』大きな原因は、「医科」と「歯科」が分かれてしまっていることにある。他の専門家にとって、食べるということは自分の治療にとって、危険以外の何物でもないと思うからだ。

実は病院内だけではなく、そもそも食支援に重要な役割を果たす『口腔機能』の専門家がいないという大きな問題がある。人間の体は全て、担当の専門医が決められ、診てもらうことができるが、唯一専門家のいない器官がある。それが『口腔』である。口腔とは口の中から喉までの器官。人間の体の中で、口と歯だけが医科ではなく、歯科が担当する。だから、口腔内のがんやできものは、医科ではなく、歯科の口腔外科が担う。しかし、口腔の外科医はいても、機能の低下や障がいを治療・改善する内科の専門家が全くの不在なのだ。教育すら受けていない。

医療から見放されている『口腔機能』だが、人間が生活していく上で、このうえなく重要な器官であることがわかってきた。「食べる」「喋る」「笑う」という、人間の健康にとって、最も重要な行為を支えているのだ。

今後、健康に老後を過ごすために必要なこととは……
『食支援の専門家(食医)を見つけて、しっかりと噛んで食べながら病気を治すこと』
『加齢によって低下してゆく口腔機能を自分の力で維持させてゆく』
『本人と家族が「医師任せ」にせず、適切なセカンドオピニオンを持つこと』
など、対処法までしっかり紹介。

データ取得日:2024/04/12  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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