〈獄中〉の文学史

夢想する近代日本文学

〈獄中〉の文学史

著者
副田 賢二 [著]
出版社
笠間書院
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784305708069
発売日
2016/05/11
価格
2,376円(税込)

内容紹介

〈獄中〉のことばが社会と文学のなかで特権的な意味を持ち続けてきたのはなぜか。
過剰な言葉あふれる〈獄中〉。そのダイナミックな営みの歴史的記憶を明治期からたどる書。
様々な意味やコンテクスト、そして同時代的な欲望が多様に交錯し、化合することによって生み出されてきた、イメージと記号が重なり合う入れ子型の空間であった〈獄中〉。その中で育まれた近代日本文学の想像力は、現代日本の言説空間にも、いまだ影響力を与え続けている。一体そこでは何が起こっていたのか。明治期から平成にいたるまで、検証していく。付録「〈獄中〉言説年表」(明治期〜一九九〇年代まで)。

【近代日本文学が抱え込んできた歴史性を示す言説として、一連の〈獄中〉言説とその表象の展開、そして消費形態を捉え直し、そこに発動した想像力と「文学」との関係構造を検証することが、本書の目的である。出版ジャーナリズムと政治体制との対立構造が生まれた明治初期から、一九三〇年代後半のいわゆる〈文芸復興〉期までの近代日本文学の歴史的展開を中心に、〈獄中〉言説とその表象がそこで果たした多元的機能を検証してゆきたい。そこでは、いわゆる「獄中記」的言説に限らず、報道や娯楽記事、広告等をも含めた〈獄中〉に関する雑多な言説を、同時代の出版・雑誌メディアとの関係と相互作用という側面を重視して考察する。また、そのような〈獄中〉表象が、アジア・太平洋戦争の敗戦に伴う制度的転換と社会構造の変化を経由した戦後の言説空間においてどのように展開され、消費されるようになったのかについても考察を加える。】……「序論」より

データ取得日:2017/12/04  書籍情報:版元ドットコム