よい移民

よい移民

著者
ニケシュ・シュクラ [編集]/栢木清吾 [訳]
出版社
創元社
ISBN
9784422360119
発売日
2019/07/29
価格
2,640円(税込)

内容紹介

「よい」「わるい」はいつも他人が決める。
70年代以降に英国で生まれた移民2世・3世の著名なクリエイター21人が、自己存在の意味や葛藤、社会の偏見などを繊細かつ巧みに表現し、大きな反響を呼んだ話題の書が日本語版で登場。J・K・ローリング推薦。

★日本語版推薦
移民のひとたちは“よい移民”、つまりモデル・マイノリティでなければならないのだろうか。求められている役割を演じなければ“悪い移民”なのか? 人種も境遇もさまざまな本音の声たちに耳を傾けながら、考え込んでしまっていた。受け入れるとはどういうことか。アジア人であるとはどういうことか。どちらの立場からしても、わたしたちは当事者だ。
――谷崎由依(作家、翻訳家)

多様なルーツを持つ人々が暮らすイギリスという国。その日常に深く深く染み込んだ無知と差別、そしていつまでも逃れられない葛藤と戸惑い。「黒人」であることで何かを期待される。「東アジア人」であることで何かを期待される。メディアの上ではステレオタイプが繰り返され、おなじみの「悪いイメージ」を払拭するために「よい移民」として振る舞おうとする子どもたちがいる。なぜ無色透明であることは「白人」だけに許された特権なのか。イギリスで「インド系」であること、「中国系」として生きることは一体何を意味するのか。『よい移民』に収められた21の言葉は、「都合の“よい移民”」に対する既存の安直なイメージを裏切るだろう。突飛な何かが書かれている、ということではない。21人の「移民」たちが描いた日常と感情の揺れ動きが、社会の根っこにある嫌なもの、緊張感、哀しみを驚くほど鮮明に炙り出している。
――望月優大(ライター/ニッポン複雑紀行編集長)

データ取得日:2024/04/15