東京骨灰紀行

東京骨灰紀行

著者
小沢 信男 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784480429896
発売日
2012/10/01
価格
858円(税込)

内容紹介

小沢信男
晩年の代表作

大江戸・大東京の乱離骨灰史
震災・大空襲・牢屋敷跡・仕置場跡……
掘り起こす、鎮魂行。

アスファルトの下に累々と埋もれる、江戸・東京の骨灰。明暦の大火このかた、震災と大空襲の犠牲者までをまとめてご供養の両国から、小伝馬町の牢屋敷跡、小塚原の仕置場跡、地下鉄サリン事件の築地、お骨の大量入居地、谷中墓地に多磨霊園…。無数の骨灰たちの彼方に、この国の首都の来し方、忘れ去ってきたものが見えてくる。東京の記憶を掘り起こす鎮魂行。

「江戸の遊芸人がゆき、明治の車夫馬丁がゆき、大正の林芙美子がゆき、街娼がゆき、昭和恐慌のルンペンがゆき、府立六中学生がゆき、戦後のパンパン諸嬢がゆき、オカマ諸兄がゆき、お好み焼き屋の女あるじがゆき、徹夜麻雀の輩がゆき、この道を笑ってわれらが往きしことわが忘れなばたれか知るらむ。」
 本書は、それら膨大な数にのぼる、この街の亡き者たち、つまり、人民の歴史の街頭行列に立ちまじり、現世の東京をにらみ返すがごとき構図である。(黒川創「解説」より)

データ取得日:2024/03/29  書籍情報:openBD