共和国か宗教か、それとも
十九世紀フランスの光と闇
内容紹介
シャルリ以後のフランス学へ
宇野重規・伊達聖伸・髙山裕二編著『社会統合と宗教的なもの――十九世紀フランスの経験』を刊行して、ほぼ五年が経過する。東日本大震災の混乱のさなか日本社会を支える根本的価値の再検討という問題意識から同書は大革命後の十九世紀フランス社会に辿り着いた。
そこで見出されたのは、まさに〈神々のラッシュアワー〉状況だった。カトリックに代わる新たな精神的支柱を求めて「宗教的なもの」を追いかけた革命後の社会が混迷を深める日本社会と、それこそ結びついた(「宗教」の語源はラテン語の「再び結び付ける」にあるとされる)。
そこで本書である。続編として『共和国か宗教か、それとも――十九世紀フランスの光と闇』を刊行する意味は果たしてあるのだろうか? この点で大きいのは今年フランスを襲ったテロである。
シャルリ・エブド事件、そして編集の最終段階で起きたパリ同時テロ事件は、フランスないしは大革命後の「世俗化した」社会の在り方をゼロから問い直させる事件だった。メーストル、シャトーブリアンからジョレス、モースまで、シャルリ以後のフランス学に向けた野心作。
データ取得日:2024/04/12
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