ナショナリズムと相克のユーラシア

ヨーロッパ帝国主義の負の遺産

ナショナリズムと相克のユーラシア

著者
宮田 律 [著]
出版社
白水社
ジャンル
歴史・地理/外国歴史
ISBN
9784560096628
発売日
2019/04/24
価格
2,860円(税込)

内容紹介

分断と紛争の本質に迫る!

 2011年の「アラブの春」は多くの人びとの希求とは裏腹に紛争の引き金となり、結果、大量の難民がヨーロッパに押し寄せて、移民・難民の排除を唱える極右勢力の台頭を許すこととなった。さらに、疎外されたムスリムの一部はヨーロッパ域内でテロ事件を起こし、ヨーロッパの安全保障上の重大な脅威となっている。
 現在の中東イスラーム世界やヨーロッパに紛争や対立をもたらす思想的背景として「ナショナリズム」の存在が指摘されるが、本書では、ヨーロッパで生まれた「ナショナリズム」の概念がいかにイスラーム世界を困難な状態に置いたかを明らかにしていく。具体的には、栄華を極めたオスマン帝国に対するヨーロッパの帝国主義侵出の歴史と、その秩序に反発した中東イスラーム世界の近現代史、クルド・ナショナリズム、イランとアラブ世界との民族的角逐など、現在のユーラシア情勢をかたち作った歴史的要因を分析する。変わりゆくイスラームとヨーロッパというユーラシアの国際構造の、とくに思想的背景を明らかにするものである。
 「ナショナリズム」をキーワードに中東・ヨーロッパに遍在するさまざまな対立軸を俯瞰することで、繰り返し起こる紛争の本質に迫る。

データ取得日:2024/04/13  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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