わさびの日本史
内容紹介
粒粒辛苦な栽培植物起源学の研究でわかった!歴史ミステリー
一見何でもない野生植物が、いつか栽培植物となる。
そこに、人々のどんな思いがあったのだろう。
誰が、どういう動機で、何を思い栽培を始めたのだろう。
それに少しでも迫りたい。
名もなき人々の思いの復元を目指した栽培植物起源学の研究者が歴史の謎を掘り出してしまった!
和食で使われる野菜といっても,日本発祥の植物はごくわずか。日本の野生植物からうまれた数少ない食材の一つが,ワサビです。DNA解析を駆使する理系女子が『群書類従』など歴史資料に手を伸ばし,栽培ワサビの起源に迫ります。
・世界唯一?のワサビ研究者,山根京子先生による初めての本。
・ワサビはほんとに日本固有種か? 中国に乗り込んで調査を始めたら,そっくりな植物があって呆然。でも,ツンとくる辛さをもつのは日本のワサビだけ。やっぱり固有種だった。ほっとした~。
・日本にしかないこの野生植物が,栽培植物へと変わった現場をつきとめるべく,ピペットを古文書に持ち替えて,歴史的な記録の中にワサビの影を探索開始!
・そんなワサビの影を網羅した「ワサビ年表」つき。堂々30ページ!
・伊藤若冲のかわいい作品「野菜涅槃図」にワサビが描かれてるって知ってましたか? そう言われて絵を見ても,どこにあるのか見つからない! ところが,それが栽培の歴史を示す資料になる。芋づる式に出てくる情報が織り上げるストーリーは,まるで歴史ミステリー。
・ワサビ栽培の発祥地はおそらく静岡市有東木。しかし,DNAは原産地が山梨,群馬,長野エリアであることを示している。これは何を意味するのだろう?
・「ワサビ応援団長」を自認する山根先生ならではの蘊蓄もちょこちょこ披露。
・知りたかったのは,ちいさな野生植物を栽培しようと思った先祖の想い。記録のない昔のこと,それはおそらくかなわないけど,少しでも迫りたい。それが栽培植物起源学の心意気。植物の好きな人も,和食に関心のある人も,歴史の好きな人も楽しめる本です。
データ取得日:2024/04/21
書籍情報:JPO出版情報登録センター
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