吉田謙吉と12坪の家 劇的空間の秘密
内容紹介
舞台美術を中心に、考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉(1897-1982)は、52歳(1949年)で東京・港区に12坪の家を建てた。小さなスペースながら小ステージがあり、恩師の今和二郎に「愉快な家」と言わしめた家の、独創的な空間づくりの詳細とはいかに? 本書では、この12坪の家に影響を与えたであろう謙吉の仕事を振り返りながら、“劇的空間”としての自邸の秘密を解き明かす。関東大震災、続く第二次世界大戦という多くの人々の暮しが解体された大災難に遭ってなお、謙吉のまなざしは常に自由で新しいものに向けられていた。バラック装飾社、考現学、築地小劇場での舞台美術の仕事、住まいの提案……。人を喜ばせることが好きで、自身も人生を楽しく謳歌することを望んだ愛すべき生き方を、12坪の家を基軸に、謙吉が残した空間づくりに関する数多くの記録と自身の言葉から探っていく一冊。
データ取得日:2024/03/28 書籍情報:openBD