特捜は「巨悪」を捕らえたか

元地検特捜部長の極秘捜査メモワール

特捜は「巨悪」を捕らえたか

著者
宗像 紀夫 [著]
出版社
ワック
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784898314807
発売日
2019/04/12
価格
1,650円(税込)

内容紹介

元東京地検特捜部長・宗像紀夫。

彼が明らかにした「極秘メモ」「日記」の数々……

初めての著作!

——随所に捜査時のリアルタイムの日記も挿入。

臨場感あふれるノンフィクション回顧録

「冷たい表情の裁判官」「居丈高な検察官」「金儲け主義の弁護士」になるな……

・江副浩正、田中角栄逮捕から日産ゴーン逮捕まで——

・地検特捜部の仕事は「世の中のドブさらい」「闇を照らす」のが仕事だ!

・村木事件等々、捜査が粗雑で、威圧的、権力的になった特捜は心配だ!

・特捜の手がける独自捜査事件は、マスコミに気付かれず着手(逮捕)できれば半ば成功したも同然。日産ゴーン逮捕は「保秘」に成功し、マスコミは「してやられた」というしかない。

・平成の大疑獄リクルート事件の発端に触れた時「私の体の中を電気が走った! 」

・リクルートの本命は中曽根康弘だった。しかし……「証拠」優先の捜査では藤波までが限界だった。見込み捜査はできない。藤波は「中曽根の身代わり、人身御供」ではない。

・実は、本命(P3C)に捜査の手が届かなかったロッキード捜査の悔しさ。そのとき、吉永祐介主任検事は……

・特捜検事は週刊誌を愛読する。国民からの告発する投書も熟読する。

・文化功労賞などで選考委員に金銭などを使って働きかけた人がいた。

・被疑者は雲隠れのため入院すると、それから本当の病気になる。

・リクールトの時、捜査ルートは何処からとの質問を受けて、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」という映画をヒントに言った。「北北西」(NNW) ……つまり「NTT」と暗示したが、気づく記者はいなかった……。

・村木事件、小沢事件(陸山会事件)、佐藤栄作久事件(弁護士を担当)など、「何か事件をやらなければいけない」「自分が特捜部長の間に、政治家や高級官僚を一人もやっていない、前の人は二人もやっているとか……」そんなあせりが、強迫観念が「冤罪」「見込み捜査」「改竄事件」を起こしたのではないか。特捜部の「勇み足」をいさめる。

・大物を摘発するのであれば、何をやってもいいという風潮が特捜に蔓延しているのではないかとの強い危惧を感じる。

・弁護士として、主任検事の筋読みに無理に供述を当てはめるような強引な事例が目立つことに気付いた。捜査が粗雑で、調べ方が威圧的、権力的で、利益誘導的な質問を平気でする事例(佐藤栄作久事件)に直面し、その弁護を引き受けた。特捜地検と対峙することもあった!

データ取得日:2024/04/17  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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