なぜ日本はフジタを捨てたのか?
藤田嗣治とフランク・シャーマン19451949
内容紹介
1991年、ソウルの病院で元GHQ美術教育担当官がひっそりと世を去った。死の数日前、彼は、病床を見守っていた一人の日本人実業家に、生涯かけて集めた美術品を含むぼう大な資料(シャーマン・コレクション)を託した。フランク・シャーマンは、世界的な巨匠・藤田嗣治が占領下の日本から渡米するのを助けた米人として、藤田の経歴にわずかに記されることはあるが、そのプロフィールは闇に包まれたままだ。北海道伊達市に眠る未公開の書簡や写真など2万点とも言われるコレクションの調査や新資料の渉猟により、藤田渡米という“戦後美術最大の事件”が、70年後の日本画壇崩壊のきっかけになったことなど、戦後日本美術の通説を覆す事実が次々に明らかになる。本書は、敗戦直後からフジタ渡米までの5年間に焦点を当て、藤田の人生最大の危機、藤田がただ一人気を許した友人シャーマンとの交友など、戦後美術の戦いと希望のドラマを描いたノンフィクションである。
データ取得日:2024/03/24 書籍情報:openBD