これが一番簡単な「読書感想文」の書き方だ! 教育学者・齋藤孝が悩める子に授ける“最高のアドバイス”とは
夏休みにやってくる子どもの大敵、読書感想文。小中学生を対象とした昨年のアンケート調査では、一番嫌いな夏休みの宿題で「読書感想文・作文」がトップになっている(ニフティキッズ「『夏休みの過ごし方』に関する調査レポート」より)。
大人の方でも、子ども時代に苦労した覚えがあるだろう。何とか本を読んでも、いざ鉛筆を握りしめ、原稿用紙に向かうとなると、何から書けばいいのか分からなくなってしまう…。
そんな悩みを解決に導いてくれるのが、『だれでも書ける最高の読書感想文』(角川文庫)だ。著者は、明治大学教授で教育学者の齋藤孝さん。『声に出して読みたい日本語』などのベストセラーをもつ齋藤さんからのアドバイスは、子どものみならず大人にも大いに役立つものとなっている。
読書感想文に悩めるすべての子どもたち(と一緒に苦労する親たち)のために、“最高のアドバイス”を特別に公開しよう。
※以下、『だれでも書ける最高の読書感想文』の一部を元に再編集しました。
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■いきなり原稿用紙に向かっても書けるわけない
「さあ、感想文を書こう」となったとき、きみはまず何から始めていますか?
まさか、いきなり原稿用紙に向かっているなんてことはないだろうね。
それはあまり賢明なやり方とはいえない。何をどう書こうかという頭の整理ができていない状態でいきなり原稿用紙に向かったって、すらすら書けるわけないから。
まずは、何を書くか、どのように書くかを考えないといけない。これが厄介なんですよね。感想文がにがてな人の多くが、そこが思いつかなくて困って、つまずいてしまうんだから。
悩まずにスムーズに書く態勢に入れる、とっておきの方法をお教えしましょう。
それは、自分の心にグッときた言葉を拾い出すことです。
「この言い方カッコいいなあ」「このセリフ、ジーンときた」と感じたところや、「この文章すごくいいな」と思ったところをさがす。それをチェックしておいて、メモに書き出すんだ。
「本を読むことと感想を書くことを切り離さないことが大事」なんです。
ただ読んでいるときにはあまり気づかないけれど、グッとくるところをさがして人に話そう、感想文に書こうと意識して読んでいると、そういうところが目にとまりやすくなるんですね。
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- だれでも書ける最高の読書感想文
- 価格:572円(税込)
読んでいる段階から書くときのことを考えておく。そのために、本に書きこみをしながら読むことを僕はオススメしています。
だから、「感想文を書く本は買いなさい」と言いたい。
人から借りた本、みんなで利用する図書館の本を汚さないことは、大事なマナーだ。絶対に守ってほしい。書きこみしながら読むためには、やっぱり自分の本でないといけない。
読むときに、「おっ、ここいいな」と思ったら線を引いたり、マルで囲ったりして目印をつけておく。この書きこみのやり方については、本の中で詳しく説明することにして、いまは「グッとくるいい言葉」さがしの話をつづけましょう。