『密室蒐集家』
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密室蒐集家 [著]大山誠一郎
[レビュアー] 若林踏(書評家)
衆人環視の家の中で死んだ二人の少年少女。密閉状態の部屋で鍵を飲み込んだまま殺された男。警察には解明できない不可解な密室事件が起きた時、必ず現れるひとりの男がいた。卓越した推理力で密室の謎を解き明かし、事件解決後には煙のように消えうせる不思議な男は、自らを“密室蒐集家”と名乗っていた。
第十三回本格ミステリ大賞に輝く、密室だらけの連作短編集。多彩なバリエーションの密室トリックはもちろんのこと、アクロバティックな解決場面も本書の見どころだ。犯人がわざわざ密室を作った理由をめぐり、ひねくれた推理が連発する「理由ありの密室」が特に素晴らしい。