『科学研究とデータのからくり 日本は不正が多すぎる』谷岡一郎著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

『科学研究とデータのからくり 日本は不正が多すぎる』谷岡一郎著

[レビュアー] 産経新聞社

 昨年のSTAP細胞事件や、大手製薬企業社員が改竄(かいざん)した臨床研究データを医大教授が論文に掲載してしまった件をピックアップ。なぜ研究者は捏造(ねつぞう)しようとするのか、報道機関や一般市民はなぜ見抜けないのか…。社会調査論が専門の筆者は、「科学的フレーバーをもつウソを防御できないのは、科学に対する畏怖と尊敬のせい」と唱える。

 あわせて、病的賭博の疑い(ギャンブル依存症)が推定で536万人と発表した厚生労働省に、根拠となるデータを示すよう迫り、歴史を都合よく解釈する他国の情報操作にまで切り込んだ。(PHP新書・780円+税)

産経新聞
2015年11月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク