『下町ロケット2 ガウディ計画』
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【話題の本】『下町ロケット2 ガウディ計画』池井戸潤著
[レビュアー] 篠原知存(ライター)
■“最速映像化”で急上昇
テレビドラマ「下町ロケット」(日曜夜TBS系)の第4話(11月8日放送)を見ていて「ガウディ計画編」という告知にびっくりした。いや、知ってた人は驚きもしなかったでしょうけれども。このドラマは全10話で、前半は4年前の直木賞受賞作を、後半は新作の続編を映像化する企画らしい。だけど『下町ロケット2 ガウディ計画』が発売されたのは11月5日! 撮影やら何やら考えると、ほとんど同時進行? 異例の“最速映像化”だ。
元ロケット研究者の佃航平が社長を務める町工場・佃製作所の面々が、技術屋のプライドを胸に大企業と渡り合う構図は前作と変わらない。新たに挑むのは医療機器だ。心臓疾患で苦しんでいる子供たちを救いたい-。もちろん簡単にはいかず、社員を引き抜かれ、さまざまな邪魔が入り、順調だったはずのロケットビジネスにもライバルが現れるが…。〈この会社じゃ夢がない-そう思われちまったら、オレの負けだ〉。池井戸節にうっとり。
版元によると、30万部スタートで即増刷となり現在40万部。前作の文庫版も売れ行き好調という。ロケットに点火して急上昇中といったところ。(小学館・1500円+税)
篠原知存