『95 キュウゴー』
書籍情報:openBD
『95 キュウゴー』早見和真著
[レビュアー] 産経新聞社
高校の後輩を名乗る人物からメールを受け取った僕は、渋谷に出向いた。指定されたのは高校の時に入り浸っていたレストラン。彼女は、僕が載った古い雑誌を見せて、卒業制作のため20年前の話を聞かせてほしいと言う。僕は語り始めた。〈その日付は忘れない。1995年、3月20日--。白から赤にライトが反転するように、僕の人生が転げた日だ〉。成績優秀、品行方正だった高校生の僕は、地下鉄サリン事件が起きた夜、家でいつもと同じ日常が続いていることにキレた。〈絶対にダサい大人にはならない〉。仲間たちと、心のままに走りはじめるが…。(KADOKAWA・1600円+税)