〈嘘をついているぼくの首輪のランプはきっと赤く光ってるだろう〉。首輪型の嘘発見器を国民全員が着用することが義務づけられた世界。非合法で首輪の除去を請け負っている少年フラノのもとには、ろくでもない犯罪者たちが群がってくる。かつてのぼくは、除去技術を、首輪の弊害に苦しむ人々のために使おうと思っていた。人助けのために、なんてことを考えてもいた。だけどいまは、ひたすら技術を磨くことだけを考えている。ある人がつけている特殊な首輪をいつか外せるように…。ディストピアを舞台にした青春エンタメ。ほろ苦さがいい味。(早川書房・1700円+税)
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2015年12月13日 掲載
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