『年下のセンセイ』中村航著
[レビュアー] 産経新聞社
みのりは28歳。気づけば3年以上、恋をしていない。どうにか回っている生活の中で、半年前から通い始めた生け花教室は、とても大切な場所になっていた。そこで助手をしている8歳年下の透センセイとの関係が、ある日、少し変化する。私は彼が好き。でもずっと年下だし、彼にはいろんな可能性があるし、東京の大学に行ってしまうし。この気持ちは抑えなくちゃ-。〈本当はわかっていた。何かを取り繕いながら、恋をすることなんてできない。永遠に何かを取り繕いながら、生き続けることはできないのだ〉。温かい気持ちにしてくれる正統派のラブストーリー。(幻冬舎・1400円+税)