『暴走する正義』
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明文堂書店石川松任店「《正義》という名の地獄」【書店員レビュー】
[レビュアー] 明文堂書店石川松任店(書店員)
犯罪の増加に伴い、赤い惑星は処刑地となった。殺人を犯し、赤い惑星へと連れて来られた男の軌跡をたどる・・・・・・星新一「処刑」、闖入者たちの姿が民主主義の問題点を鋭く突く・・・・・・安部公房「闖入者」、凶悪な殺人鬼を怯えさせる、死刑よりも怖い《カンタン刑》とは。不快度MAXの傑作・・・・・・式貴士「カンタン刑」など、全9篇のアンソロジー。
アンソロジー《巨匠たちの想像力》シリーズ第二巻のテーマは管理社会。ここで書かれる世界の多くは《正義》という名の地獄である。作家の想像力によって生み出された異質な社会(異質なのに、とてもリアルに感じる)の強烈さを味わって欲しい。これらの作品のような世界は目前にまで迫ってきているのかもしれない。いや、実はもう既にそんな世界に・・・・・・。