ヒューマン・セキュリティー(人間の安全保障)政策の統合的研究が専門の筑波大准教授と、プライマリーケア(初期医療)が専門の医師がタッグを組み、人々の健康や環境を脅かす見えざる敵への対処法をさまざまな角度から検証している。ヒューマン・セキュリティーは、国連開発計画が1994年に初めて打ち出した概念。もともとは飢餓に悩まされるような国や紛争国の人々が対象だったが、東日本大震災を経験し、著者らは日本人のための安全保障が必要と考えるに至ったという。仮説ということで科学的根拠は弱いが、読み物としては興味深い。(筑波出版会・1800円+税)
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2016年3月6日 掲載
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