『新任巡査』古野まほろ著
[レビュアー] 産経新聞社
上原ライト(頼音)は愛予警察署に配属された新任巡査。交番で勤務を始めるが、わからないことだらけ。「ワナビー巡査」(巡査になりたいけどなれない)と呼ばれて怒られっぱなし。だが厳しさは育成のためだ。制服を着ている限り、甘えは許されない。〈視野を広げろ。勤務の意味を考えろ。組織で働く理由を考えろ〉。先輩や上司の一挙手一投足から必死で学ぼうとする。一方、同期の内田アキラ(希)は警察学校も次席で卒業した期待のルーキーだが…。感動的な成長物語と思っていたら、衝撃の展開に絶句。650ページの大作だが、一気読み必至だ。(新潮社・2600円+税)