うつのみや上林店「少年探偵団豪華オマージュ・アンソロジーがパワーアップ!」【書店員レビュー】

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みんなの少年探偵団2

『みんなの少年探偵団2』

著者
有栖川 有栖、歌野 晶午、大崎 梢 [著]/坂木 司、平山 夢明 [著]
出版社
ポプラ社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784591149416
発売日
2016/03/08
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

うつのみや上林店「少年探偵団豪華オマージュ・アンソロジーがパワーアップ!」【書店員レビュー】

[レビュアー] うつのみや上林店(書店員)

ポプラ社『少年探偵団』シリーズのオマージュ・アンソロジー第2弾。前回も大変面白かったが、今回もとても良かった!

第一話、有栖川有栖「未来人F」。怪人二十面相、明智小五郎、小林くんが繰り広げるオーソドックスな怪人譚。ハラハラドキドキの連続です! 第二話、歌野晶午「五十年後の物語」。少年探偵団に夢中になって読んだ子供の冒険譚。これもかなりハラハラしました。そして自分も子供の頃に少年探偵団を結成したことを思い出しました(笑) 第三話、大崎梢「闇からの予告状」。謎がいっぱいの、女の子が活躍する物語。「みんなの少年探偵団(1)」では湊かなえさんが少女探偵を書いてらしたので、作家さんが書きたくなるテーマの1つなんですね。第四話、坂木司「うつろう宝石」。変わった話です。ある意味とても不気味です。この作家さんはこんな風に少年探偵団シリーズを振り返るのかと、とても興味深かったです。第五話、平山夢明「溶解人間」溶解というのはどろどろに溶けてるイメージですが、もう正にそんなのが出てきます。そしてちゃんと正統な二十面相対明智小五郎のお話です。ある意味一番インパクトがあって忘れられなさそうです。

とにかく少年探偵団シリーズが好きな人には間違いない面白さ。またそうでなくても、それぞれの作家性がとても表れてるので作家買いしてその奥深さをぜひ味わっていただきたいです。またシリーズを知らないお子さんにも優しく書かれた文章なので、できれば臆せず挑戦してもらいたいですね。

トーハン e-hon
2016年3月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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