『日本の命運』
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先人たちが国難にどう立ち向かったか… 『日本の命運 歴史に学ぶ40の危機管理』濱口和久著
[レビュアー] 産経新聞社
国防と災害に、喉元(のどもと)過ぎれば熱さを忘れる-があってはならない。それを痛切に感じさせてくれるのが本書だ。
白村江の戦いから地下鉄サリン事件まで、日本史に登場する40の「危機管理」を取り上げ、先人たちが国難にどう立ち向かい、“忘れ”てしまったかを分析する。
例えば飛鳥時代に構築された九州防衛の防人制度は、平安時代に入ると廃止され、中国から来寇(らいこう)した海賊に対馬などが蹂躙(じゅうりん)されるという結果を招いた。平和ボケは昔からあったのだ。北朝鮮情勢をはじめ危機に囲まれた現代の日本にヒントを与えてくれそうだ。(育鵬社・1300円+税)