ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「本当の事を知る、という事。」【書店員レビュー】

レビュー

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隔離の記憶

『隔離の記憶』

著者
高木 智子 [著]
出版社
彩流社
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784779121371
発売日
2015/07/13
価格
2,750円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「本当の事を知る、という事。」【書店員レビュー】

[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)

言いたい事を言わないと、ダメになっちゃう。本当のこと、本当の体験を言わないと、後世に残らない。(本文引用) ハンセン病、隔離の施設。その想像を絶するような「隔離の記憶」の証言集。そこで起こっていた事がおとぎ話の国のお話ではなく、この日本で為されていたという事。しかし本書はそんな悲惨さや絶望に焦点をあてたものではなく、人間ここまで強く生きられるのか、という前向きさと明るさで生きてきた人々の「心」に迫ったルポタージュ。姿勢を正し、心して読みたい。

人生に絶望はないよ。転がり落ちて、はいあがってきたじいちゃんが言うんだから、間違いない。大丈夫だよ。(第3章より引用)

トーハン e-hon
2016年6月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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