ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「もし自分だったら。」【書店員レビュー】

レビュー

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母さんごめん、もう無理だ

『母さんごめん、もう無理だ』

著者
朝日新聞社会部 [著]
出版社
幻冬舎
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784344029057
発売日
2016/03/10
価格
1,320円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「もし自分だったら。」【書店員レビュー】

[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)

裁判所の傍聴席にて。記者が見つめた人間ドラマ29編。介護に疲れはて…、育児に悩み…、恋愛がもつれにもつれ…、家族関係の揉め事に疲れはて…といった人それぞれの様々な込み入った事情。その果てに一線を越えてしまい…。

本文中、著者によるこんな一文がある…「これらの記事は裁判で語られたことを淡々と書くだけで、どうすべきだったのかの答えはないし、書く事もない」と。29編の事件はいずれもショッキングで正直、読んでいて気が滅入ります。しかしながら、読みながら誰もがこんなふうに考えるのではないでしょうか…「自分が同じ立場、状況に置かれていたらどうしていたか」と。人間って、社会って、世の中って、どうあればいいのでしょうね。深くシミジミ考えさせられる一冊です。

トーハン e-hon
2016年6月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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