『ぼくのいちにちどんなおと?』
- 著者
- 山下, 洋輔, 1942- /むろ, まいこ, 1974-
- 出版社
- 福音館書店
- ISBN
- 9784834082630
- 価格
- 1,540円(税込)
書籍情報:openBD
【児童書】『ぼくのいちにち どんなおと?』山下洋輔文、むろまいこ絵
[レビュアー] 篠原知存(ライター)
イヌとネコがけんかをはじめたら、どんなふうに聞こえるでしょう? グルルワンワンとか、フーッニャーゴとかでしょうか。だけど、ジャズピアニストの著者には、こう聞こえる。
〈にゃごら にゃごら きばがきがき/ほらおん ほらおん ぐわわんわん〉
本書の魅力は、こうした擬音語の面白さ。主人公の「こうちゃん」が一日を過ごす様子を描いているのだが、オノマトペに独特の字句が当てられる。水は〈ぴちゃらぱしゃらぷるぷるぷる〉と飛び散り、ビールは〈しゃばどびどば〉と注がれる。大きさや太さ、字体も変わったりして、すてきなインプロヴィゼーション(即興演奏)を聴いているような気分だ。
そういえば子供のころ、英語圏でニワトリの鳴き声を「cock-a-doodle-doo(クックドゥードゥルドゥー)」ということを知ったときは衝撃を受けたっけ。世界の見え方、聞こえ方はみんな違うし、違っているから楽しい。そんな当たり前のことを思い出させてくれる。(福音館書店・1400円+税)
篠原知存