【児童書】『日本語あそび学 平安時代から現代までのいろいろな言葉あそび』

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【児童書】『日本語あそび学 平安時代から現代までのいろいろな言葉あそび』

[レビュアー] 藤井克郎

 「じゃんけん学」「なぞなぞ学」など、子供の遊びの起源から遊び方までを分かりやすく解説する「なんでも学」シリーズ最新刊。今回は「日本語あそび学」と題して、しりとりやだじゃれといったなじみ深いものから、ぎなた読み、山号寺号(さんごうじごう)など日本語ならではの高度な言葉遊びまで、ほのぼのとしたイラスト付きで幅広く取り上げている。

 例えばだじゃれはおやじギャグとしてばかにされがちだが、平安時代から続く「かけことば」や、江戸時代にはやった「地口」にも通じるという。だじゃれの中には句読点の位置で意味が変わる「ぎなた読み」の要素が入っているものもあるなど、大人が読んでも新たな発見がある。

 擬音語や擬態語などのオノマトペでは、外国語と比較して、いかに日本語の表現力が豊かであるか気付かされる。「言葉遊びとひと口に言ってもこれだけの種類があり、大人が知らないものも入っていると思う。親子で一緒に学習しながら楽しんでもらえたら」と、今人舎の編集担当は話している。(倉島節尚監修、稲葉茂勝著、ウノ・カマキリ絵/今人舎・1800円+税)

 (藤井克郎)

産経新聞
2016年7月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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