【書評】『はじめからその話をすればよかった』宮下奈都著

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【書評】『はじめからその話をすればよかった』宮下奈都著

[レビュアー] 産経新聞社

『羊と鋼の森』で本屋大賞を受賞した著者の初エッセー集。著者は1967年、福井県の生まれ。3人目の子供を妊娠したときに、突如小説を書き始めた。女性ホルモンのせいだという。

 身辺雑記、書評、自著解説、掌編小説を収める。あとがきに「輝きが他人に伝わらなくても、私は私の中で光を保てればいい。できればその光でどこかを、誰かを照らせたらいいなと思うのだ」と記しているように、「風立ちぬ、いざ生きめやも」という言葉に通じる、生の悲しみを知りながら生きることを大切にしようとする者のみが書きうる文章が心地よい。(実業之日本社文庫・630円+税)

産経新聞
2016年8月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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