演劇という芸術形式の奥深さ

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シェイクスピア

『シェイクスピア』

著者
河合 祥一郎 [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
文学/外国文学、その他
ISBN
9784121023827
発売日
2016/06/22
価格
902円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

演劇という芸術形式の奥深さ

[レビュアー] 図書新聞

 なぜシェイクスピア劇は何百年ものあいだ我々を魅了し続けるのか? 本書は『ハムレットは太っていた!』などで新たなシェイクスピア研究の道を拓いた河合祥一郎による、コンパクトでありながら充実した入門書である。全体として、シェイクスピアの謎多き人生を時代背景とともに丹念に追跡し、その作品の根底に流れる思想を読み解いている。特に後半以降の作品論では、各作品の喜劇・悲劇を考察し、さらにシェイクスピア劇におけるルネサンス・古代ギリシア哲学の影響まで論じていて、演劇という総合的な芸術形式の奥深さを実感させられる。単なるシェイクスピアに関する教養書にとどまらない、演劇全般並びに人文主義思想、そして「人間」の本質をめぐる議論をも孕んだ好著だ。(6・25刊、二五六頁・本体八二〇円・中公新書)

図書新聞
2016年9月3日号(3269号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

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