『水力発電が日本を救う』竹村公太郎著

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『水力発電が日本を救う』竹村公太郎著

[レビュアー] 産経新聞社

 水力発電が日本を救う―。一見突拍子もない主張である。しかしダムを3つ建設した「水力のプロ」が、日本のエネルギー問題は、世界でもまれな「地形」と「気象」と「既存ダム」で解決できると主張すると話が違う。

 著者は既存のダムを最大限活用すれば、年間2兆円超の電力を供給できると試算する。つまり国産の原料と技術だけで、有害物質を排出しない持続可能なエネルギーが手に入るという。夢のような話だ。ところが、消極的な自治体と既存の法律がその実現を妨げているという。エネルギー政策に携わる者にぜひ読んでもらいたい。(東洋経済新報社・1400円+税)

産経新聞
2016年9月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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