【書評】外からは分かりにくい沖縄の葛藤 『沖縄両論 誰も訊かなかった米軍基地問題』

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【書評】外からは分かりにくい沖縄の葛藤 『沖縄両論 誰も訊かなかった米軍基地問題』

[レビュアー] 産経新聞社

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、平行線をたどる政府と沖縄県。普天間飛行場の危険除去という目的がありながら、両者の溝は深い。

 本書は辺野古移設を含めた沖縄県の米軍基地問題について、識者や現地関係者ら18人に取材したインタビュー集である。本のタイトル通り、容認派、反対派それぞれに疑問をぶつけ、両者の思いをあぶり出す。

 辺野古移設の賛否や日米関係にとどまらず、沖縄の戦後史や独立論まで内容は多岐にわたる。相反する両論から見えてくるのは、外からは分かりにくい沖縄の葛藤である。(月刊フォーNET「沖縄両論」取材班編/春吉書房・2400円+税)

産経新聞
2016年10月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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