『『夜と霧』ビクトール・フランクルの言葉』
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ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「秋の夜長に…この本を読みながら考えたい」【書店員レビュー】
[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)
落ち葉舞い落ちる季節になると、ふと考える事がありますよね。一年も終わりに近づきつつあるなあ、こうしてまた一つ歳を重ねるか、嗚呼…と。忙しすぎてそんなしみじみ物思いにふけるヒマはないよ、という方が大半なのでしょうか。読書の秋、たまには本を読みながらしみじみと自らの来し方行く末について考えるひとときがあってもいいでしょう。そんな前置きを踏まえてこの本のご紹介。「強制収容所におけるある心理学者の体験」(日本では「夜と霧」というタイトルで出版)の著者、ビクトール・フランクルの名言集的一冊。「強制収容所での体験」「人生の苦しみについて」「生きる意味」「仕事と幸福」「時間と老い」…等々テーマはなかなかに重く、深いです。秋の夜長に、しみじみ読んでみたい。以下、本書収録の言葉を少しだけご紹介します。個人的に、むむむ…と考えさせられた言葉達です。
「仕事の大きさ」は問題ではない。その人が「自分なりに使命をどれだけ果たせたか」が重要なのだ。
「幸福の追求」は幸福を妨げる。
ひとの過去から何かを奪い取れる人はいない。
人は何かのため、誰かのため、自分を失う地点に達してはじめて、真の自分を発見するのである。