『運命を切りひらくもの』北方謙三、福島智著

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『運命を切りひらくもの』北方謙三、福島智著

[レビュアー] 産経新聞社

 福島 「愛」という指点字を北方先生に教えてあげてよ。

 (通訳者 北方氏の指に「あ・い」という指点字を打つ。中略)

 北方 このひと言があれば、いくらでも人生を語れるな。

 人気作家と、その作品を点字で読み「救われた」という盲ろうの大学教授との対談集。指点字の通訳者を介し、時にはお酒も交えて計5回開催。水滸伝など作品についてだけでなく、幼い頃の読書遍歴、亡き父親との関係など2人の素顔の人生哲学が語られる。「言葉は鼓動である」など印象的な対話が続き、本を通じて人が出会う幸福な時間を共有できる一冊だ。(致知出版社・1200円+税)

産経新聞
2016年11月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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