『ザ、コラム』小田嶋隆著
[レビュアー] 産経新聞社
ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉がある。音楽家がリスペクトする音楽家という意味だ。もし、ライターズ・ライターという言葉あるとすれば、本書の著者はその候補に入るだろう。
政治から風俗まで、気になる出来事に対して辛辣(しんらつ)で的確なツッコミを入れ、そこに自虐ネタをまぶすのが著者の身上。筋金入りのリベラルであるため、政治ネタでは反発を感じるところが多いが、そこから得られるものもある。本書はそんな著者がこの10年に手がけたコラムの自選集だ。その読後感はこんな感じ。「おもしろうてやがてかなしき日本かな」(晶文社・1500円+税)