【聞きたい。】六角精児さん 『六角精児「呑み鉄」の旅』

レビュー

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六角精児「呑み鉄」の旅

『六角精児「呑み鉄」の旅』

著者
六角精児 [著]
出版社
世界文化社
ISBN
9784418162376
発売日
2016/08/03
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【聞きたい。】六角精児さん 『六角精児「呑み鉄」の旅』

[レビュアー] 産経新聞社


六角精児さん

 ■無計画ゆえの出合い楽しむ

 “乗り鉄”“撮り鉄”と鉄道ファンの種類ははいろいろあれど、「僕の場合は“呑(の)み鉄”です」。列車に乗ってチビチビ、旅先で地元の人々とチビチビ。愉快な旅人ぶりはNHK・BSの番組「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」でもおなじみだが、このほど改めて、印象的な列車や車窓の風景、うまい酒や肴(さかな)、人との出会いを一冊につづった。

 「JRと第三セクター路線はほとんど全部乗った」という乗り鉄でもあるが、マニアックな内容ではない。「鉄道を使う旅行本だと気楽に考えてください」

 基本は「あらかじめ計画を立てて行動しないこと」。気の向くまま、駅を降りて散策してみる。無計画ゆえの失敗も多いが「それが楽しい」。実際、旬の魚やうまい地酒にたどり着くことも多い。「名物や地のものでなくても、偶然入った居酒屋のおかみさんの得意料理とか、それはそれでおいしい。いろんな話が聞けて、自分なりに思うところがある。それでいいんじゃないですかね」

 意外にも鉄道ファンになったのは遅く、38歳ごろという。「ギャンブルをやり過ぎてて、他の趣味を見つけなきゃと思った」のが動機。「思い返せば子供のころ、父に買ってもらった雑誌『鉄道ピクトリアル』を夢中で読んだりしてた。劇団の地方公演や地方の競輪場に向かう際も、列車で車窓を見るのが好きだった。それで、周りに『今日から俺、鉄道ファンだからな!』って宣言した(笑)」

 存亡の危機にある赤字ローカル線にとって、乗り鉄の貢献度は大きいのでは? 「貢献しようと思って乗ってるわけじゃないけど、廃止になると言ったら、人がいきなり乗り出すでしょ。もうちょっと前から乗っててくれたらいいのに、といつも思う。大きな観光スポットがないところでも、自分なりにいいなと思う場所は見つかる。それを見つけに乗ってもらえたらいいですね」(世界文化社・1300円+税)

 黒沢綾子

                   ◇

【プロフィル】六角精児

 ろっかく・せいじ 昭和37年、兵庫県生まれ、神奈川県育ち。57年に劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加。舞台、テレビドラマ、映画、バンド活動など幅広く活躍中。

産経新聞
2016年11月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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