ストレス死を防ぐ!「忙しい人」は必読

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ストレス死を防ぐ!「忙しい人」は必読

[レビュアー] 渡邊十絲子(詩人)

 若い会社員が激務のストレスで自殺する。「昔の会社員はもっと辛抱した」と思う人もいるだろう。だが、現代人は以前の日本人と比べて心が弱くなったわけではない。

 そもそも、家庭に最低でも一人の主婦がいた時代の、生活面すべてが他人まかせだった会社員を比較の対象にできるだろうか。さらに、現代人の心がストレスに弱くなったのではなく、ストレスの作用を増幅する社会環境になっているという研究結果も出ているのだ。NHKスペシャル取材班キラーストレス』で最新の研究成果を知ろう。

 ストレスを「心の感じ方の問題」ととらえているかぎり、解決策は粘りや根性などの精神論しかない。しかしストレスは、たとえ本人にその自覚がなくても、脳を物理的に破壊していくことがわかってきた。死の一歩手前まで行って初めて「自分がそれほどのストレスをかかえていたとは」と驚く人は後を絶たない。

 誰の体にもいるようなありふれた細菌が、血管を破る凶悪な敵と化す。免疫細胞はガンへの攻撃をやめてしまう。血液は固まりやすく(血管に詰まりやすく)なる。心は弾力をなくし、普通ならなんでもないような問題におしつぶされる。ストレスはこのように人を死へとひきずりこむのだ。

 ストレスを自覚するためのチェック表や、今日からできるストレス撃退のための生活習慣などもくわしく書かれている。忙しい人、家庭や職場で居心地が悪い人はぜひご一読を。

新潮社 週刊新潮
2016年12月15日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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